ほんとに真性? 星野源の『おとだま』を独断解剖

2016年6月26日

どうも。いちリスナーです。
今回は、シンガーソングライター星野源(ほしの・げん)さんをフォーカス。昨年は、ドラマ「コウノドリ」そしてアルバム・リリース「YELLOW DANCER」とまさに時の人でしたが、最近どうされてる?体調は?とググってみたら、「大河ドラマ 真田丸」にご出演だとか。徳川秀忠役、家康の息子だそうです。

マルチな才能をお持ちですから演技も楽しみですが、ミュージシャン星野源をやっぱり見たい……いえいえ聞きたい方は多いはず。まさか役者に魂売ってないですよね?『おとだま(音楽魂の略)』は、仮の魂でなく、真の魂ですよね?と気になるので、確認を兼ねて今一度、「YELLOW DANCER」を独断おさらいレビューします。

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1曲目 時よ

リリース前後、ラジオで聴かない日はなかった曲。ピョコピョコ跳ねたくなるビートを、PVでは星野さん、駅員コスプレで見事踊ってます。
人間のバネがついていける限界では?と思わせるリズム。だけど「体が勝手にそうなっちゃう」と、星野さんは言わせたいんだろうなあと。

歌詞もノリ重視でしょうか。
「時」を連想するワードが凝縮してますが、抽象的で、井上陽水さん作詞「アジアの純真」と同じ匂いします。が、こういう割り切りがないと!ダンスミュージックは。


2曲目 Week End

鼓膜に触れた瞬間「Earth,Wind&Fire」がかかるダンスフロアが浮かびました。
クラブじゃなく、ディスコ、大事なことなので二度、ディスコ!のフロアです。

この時代の映像を見ると、みなさん自由に踊ってます(ツイストとかは別)。ところがバブルのジュリアナ東京でのジュリ扇×ボディコンのダンス、ユーロビートにのったパラパラが一世風靡し、この辺りからダンスの基準が「同調性の高さ」になった気が。

けどこの曲を聴くと「いいよ、バラバラで」と背中を押されるようです。パラパラも今やググると「パラパラ漫画」を速攻ひく時代ですしね。そのせいか「♪身体を交わそう」がオールで踊る人々とリンクして、エロく聴こえませんでした。


3曲目 SUN

これもよくかかってました。
タイトルが星野さんのサンシャイン・スマイルと合う×2!分かりやすいから覚えやすい、そして一番は耳コピで歌えるパートがたくさん、「♪Ah Ah」の出血大サービス。

「♪Ah」をこれだけ耳に焼きつけたのは、クリスタル・キングの大都会「♪あ↘あーー↗」か、この「♪Ah」か、いい勝負です。

「♪君の声を聞かせて」のフレーズも擦り込まれますね。暗示だ。シングルリリースされた頃、これだけ「聞かせて」言われたら何か応えなきゃという気になったかも。


4曲目 ミスユー

自然と上体がゆらゆらスイングします。ジャジーだなあ、と思いましたが、底支えのリズムが異なるようなので、これもR&Bのカテゴリーに入るのでしょうか。

実にまったり、しっとり聞かせてくれます。星野さんは喋る声と歌う声がほぼ同ラインなので、ボーカルをしっかり聴かせる歌は、朗読のごとく心にも響くんですね。


5曲目 Soul

ゴスペルぽい?タイトルの先入観かもしれませんが、星野さんセンターにして、ひな壇を組みたくなります。
ドラムのリズム、手拍子もいい感じ。いっそシスターのコスプレ(神父でなく?)のミュージックビデオも特典でありだったのでは?

そしてSUNと同じく、こちらは「OH」を多用。「おおおおお!」とか漫画の擬音でもそうですけど、「お」は強しですね。地鳴りのように、迫り来る感じ。試しに「WOW」で歌ってみたらチャラかったです。直感的な音選びが上手いのでしょうね、星野さん。


6曲目 口づけ

うまいなー、うまい、「♪夜と朝の口づけ」という表現がもう美しすぎます。
1曲目から、ずーーーっと身体を揺らしてきた音楽が、ここでがっちりブレイクタイムに突入した感があります。

じっと瞑想してしまいそうなアコギのシンプルなコード進行。真心のこもったボーカル。シンプル イズ シンプルです。きれいな朝焼けとか、うっとりする夕暮れとか、人を感動させるものは結局シンプルなのかなと思わせる一曲です。


7曲目 地獄でなぜ悪い

冒頭数小節聞いただけで目頭が熱くなったのは、直球で伝わるから。

歌詞が、闘病中の胸中をさらけ出してます。同タイトルの映画(園子温監督作)主題歌なことと、PVがパンチのあるアニメ(映画ドラえもんの総監督でおそ松さんもデザインされたアニメーターさん作)なことと、サウンドがコミックバンドみたくはっちゃけてるので、歌詞を聞かないと「闘病ソング」とまっっったく分かりません。

ツラさを笑い飛ばす!……というより「この怨み晴らさずおくべきか」と毒とギャグで仕返す強かさを感じます。ただでは転ばない星野源!


8曲目 Nerd Strut(なーど すとらっと)

1分半もないポルカ調のインストゥルメンタルで、フォークダンス踊れそうです。
星野さんがベース以外すべての楽器を担当。

迎えたベーシストというのが、なんと細野晴臣さんです、YMOです、イエロー・マジック・オーケストラです。

「イエロー」のご縁なのか、「ホシノとホソノ」が近いからか背景は定かでありませんが、凄いことです。ちなみに細野さんの祖父は日本人で唯一の「タイタニック」乗客で、無事生還。そういう意味でも奇跡のインストゥルメンタルと言っても過言じゃないかと。


9曲目 桜の森

3分30秒~

二度目の休養の後、復活の手土産とばかりにシングルリリースされた曲。
ファンのみなさんの喜びと絶賛ぶりに納得すればするほど、耳腐ってるかな?と疑ってしまう歌詞。

なんだか悶々と窃視してる風に聞こえてならないのです。「地獄でなぜ悪い」の先入観か、再び病と向き合うことによる「生と性」のせめぎ合い《続編》なんてタイトルが浮かんでしまいます。

また春は変な人も増えますし。いずれにせよ、星野さんの生命力の強さを春になぞらえた曲、と美しく締めておきましょう。


10曲目 Crazy Crazy

もう全部がパーカッションですね。ドラムは当然、ピアノもベースも、そこまでやる?とびっくりするほど、音がたてノリに跳ねまくってます。ここにバンジョーとバイオリンが加わったら、デキシーぽくなるのでは。

西部劇にでも出てきそうな、板張りの酒場で、飲めや踊れやとガヤガヤな雰囲気にぴったり。「おかえり星野源!」祝福な音に対し、歌詞が泣かせます。胸中を変化球で表すあたりイタズラなのか、照れ隠しなのか。大人なのに可愛いところを見せるズルイ方です。


11曲目 Snow Men

散々やりたい放題したところに、R&Bのどストライクを突いてきたかと。
甘いメロディライン、そして淡く切ない宿命を知りつつ、短い時の中をすり抜けていくスノーマンが美しく描かれた歌詞に聞こえます。

女性版だと人魚姫にあたるでしょうか。星野さんの声質って、甘いどころか塩味さっぱり系かな?と個人的意見ですが、その塩梅がブラックより口当たりが軽い「イエローなR&B」に仕立ててるように思います。


12曲目 Down Town

ドラムがとにかくカッコよく、こんな手足みたいに鳴らせるなんて!と耳が釘付けに。
全然音が後ろに聞こえず、むしろボーカルと存在感を並べてるの!?と思うくらい、ドラマーさんへのリスペクトを感じます。

この曲のポップな感じやコーラスの入れ方など、どこかで聞いたことあるような、とググってみたら、シュガーベイブ〜山下達郎さんに辿り着きました。偶然とはいえこちらも同タイトル。EPOさんのバージョンは「俺たちひょうきん族」のエンディングでしたから、当時の子ども達には深く擦り込まれているでしょう。

星野さんは生まれたか?どうか?の年代。まさか胎教だったりして。


13曲目 夜

スローなピアノの、妙にひたひたと這うような旋律。6曲目「口づけ」と同じ位置づけの小休止ナンバーとは思えないほど音は低く、逆に星野さんのファルセットは高く高くと上を目指すように聞こえます。

音域が天と地ほどあり、じっくり聞かせ、薄っぺらじゃないのを感じます。歌詞は色々と意味深ですね。分かっているのは、ノーテンキじゃないこと。夜が怖くて、朝も怖いとは、どんな心理で書かれたのか。気になるところです。


14曲 Friend Ship
アルバムのラストを飾るにふさわしい曲。このリズムだと、両手を頭の上にあげて手拍子も、大きくバイバイするにもぴったりです。

そしてサビが「♪君の手を握るたびに」「♪分〜からない〜まま」と同じか近いワードでひたすらループしてます。

ライブでコール&レスポンスに使えそうじゃないですか?「♪2の三乗、かける15」「♪分〜からない〜まま」、「♪お父さんテッペン薄い」「♪分〜からない〜まま」。こんな感じでクライマックスに一体感を味わえそうな曲ですし、タイトルがもうズバリ仲間!でしたね。


まとめ

じっくり聞き比べて、星野源さんの『おとだま』は真性と分かりました。自然と体でリズムを刻んでしまう曲を、これだけのバリーション作れるなんて好きでなければ無理でしょう。
この幕の内弁当のように「少しずつ色んなテイスト」を味わいたがるのは、日本人の特徴かもしれません。まさしく「YELLOW DANCER」でなければのアルバムですね。CDが売れない時代に、初週に推定売上枚数131,990枚とは絶句ですね。
ただ、まあ、ドリカムさんは推定売上枚数344,395枚らしいですが、キャリアを考えれば星野さん快挙かと。新曲のこと首を長くして待ちましょう。
以上、いちリスナーでした。