鬼束ちひろ TIGER LILY 私は逃げ出さなかった、

2016年5月1日

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鬼束ちひろ TIGER LILY 平成28年4月8日 19時開演 日本橋三井ホール

前回の中野サンプラザから久々のステージ。入場を待つ観客の列にはそのときとは違った期待感が伝わってきた。ユーストリームでオンエアされたライブを見ていた人がほとんどのためだろう。
ここ数年、彼女はあまりにファンを裏切りすぎた。観客は戸惑いと悲しみと諦めにも似た気持ちが交錯し、痛々しささえ感じられるステージが続いた。

ただおよそ二年ぶりのこのコンサートはユーストリームで復活の兆しを見せた鬼束ちひろが、完全なる形でわれわれの前に戻ってきてくれることを予感させるものであった。
開演時間になり、富樫さんのソロによるピアレッスンが終わり鬼束ちひろが登場した。

1曲目、「月光」だ。歌いだしてすぐ鳥肌が立った。戻ってきた、待っていた鬼束ちひろが戻ってきた。まわりでは観客のすすり泣きさえ聞こえてくる。
私も目頭が熱くなった。

ただ、心のどこかでまだ不安感があった。本当に大丈夫か?もう前回のツアーのようなことにはならないか?この思いはすぐに払拭された。
「月光」が終わると、拍手が鳴り止まなかった。みんな、お帰り、やっと帰ってきてくれた、というような暖かい拍手に感じられた。
MCなしで彼女は歌い続けた。中盤過ぎの「everyhome」では前のめりになって熱唱するいつものスタイルで、その迫力には見ているものを圧倒する力があった。

初めて口を開いたのが最後の曲紹介だった。「最後の曲です。嵐ヶ丘。」

最後の曲としては意外な印象を会場全体感じたかもしれない。ただ、この歌が心に響いてきたのは私だけではなかったと思う。
歌詞の一節、「だから私は逃げ出さなかった 誰でもない自分から」。
納得の行かないステージを繰り返していた時期、一番つらかったのは彼女自身だったのかもしれない。

逃げ出さなかった鬼束ちひろが、今再びわれわれの胸に感動を与えてくれる。

セットリスト
01. 月光
02. 眩暈
03. 私とワルツを
04. 惑星の森
05. 流星群
06. 茨の海
07. MAGICAL WORLD
08. ラストメロディー
09. everyhome
10. 陽炎
11. 帰り路をなくして
12. 蛍
13. Sign
14. King of Solitude
15. 嵐ヶ丘

ペンネーム たか