矢井田瞳 オールラウンダーと独自性は生まれ持った稀有な才能による

2016年5月18日

矢井田瞳という歌手がいる。2000年インディーズでデビュー、同年にはメジャーでデビューを果す。

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出典www.youtube.com


シンガーソングライターを名乗り、ギターをかき鳴らす。裏声を多用する謳いまわしが特徴的だ。
要所要所で他の歌い手がアクセント代わりに使用する行為とは似ても似つかぬそれは、自然と裏返ってしまうのである。
土着、南洋の色が垣間見えるが、その方面の影響は受けておらず彼女自身より生み出された歌唱スタイルなのだそう。

イギリスのインディーズでもCDをリリースした彼女である。
海外の目線からはより東洋を感じたがゆえに契約を結んだのだろう。現代と日本とそして民族気質が入り混じる、所謂オリエンタルな様式美をその歌声に見出した。日本でもおそらく彼女を一役スターダムにのし上げた理由がこれにあたる。ミリオンヒット、my sweet darlin’の一大旋風が巻き起こりファーストアルバムがデビュー一年目にして驚異的な売り上げを誇った。

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売れた歌手ならば数限りなく歴史に名を残すわけで、彼女が特別であるのは現在でも歌手活動を行っていることにある。
それはひとえに時代に波に乗れた実力以外の力に頼ることなし、彼女が波を生み出す源であることのなによりの証拠であろう。CDの売り上げ枚数と実績は過去に劣る。

現在では一概に二つの相関関係はあるとはいえない、むしろ反比例しているように思われる。買わない者が購入をすることで大きな数を示す、果たしてこれが真に評価されているといえるのか。
問われれば普段の購入者よりもだ、枚数が少なくとも固定のファンがリリースごとに決まった枚数を購入することのほうに意味があると思える。
だから現在の不況においても彼女が音楽を作り続けられる、彼女が本物であるからなのだ。

また、活動の中心が音源製作と平行したライブ活動にも要因の一つを見出せる。直に聞くと酔ってしまう、魔が篭る。
人が感じられる音源には込められない、共鳴する彼女が発し空気を伝い届ける振動が耳よりそして体全体に痺れと微細なゆれをもたらす。
表情は豊かで、こちらが引っ張られる、強くもありひどく内気でもあって、暖かくもそして実に冷淡、冷ややかでもある。いくつもの顔を持つ。そのどれがかにひかかるや、会場が自らの心象を合わさる錯覚を彼女は作り出してしまえる。収録したライブ映像にその一端が垣間見えるがすべてには程遠く、彼女の持ち味は直に触れることにある。

曲の提供も彼女は行っている、あまり知られていないだろう。
他の立場に合わせることも自らを掘り下げ現代に合わせることもできる。こんな人がいるだろうか。
しかも彼女は自らの言葉で歌う。話し言葉関西弁。これで魅力に足るといえようか。